夜逃げの理由に最も多いのは「DV・ストーカー」です。
依頼者の方の多くは被害者で加害者から1秒でも早く逃げたいと願っています。
一方で、加害者は依頼者(被害者)に異常なまでの執着心を抱くものも多く、監禁する人までもいます。

そんな中で依頼者を誰にも気づかれず、荷物と共に逃げ出すのは非常に危険です。
緊急性を伴う夜逃げ引越しに関しては、電化製品等大型荷物は諦めて頂き、最低限の荷物で逃げて頂いております。

依頼者と入念な打ち合わせをし、細心の注意を図りながら夜逃げを決行します。
が、今までトラブルは全くなかった訳ではありません。
夜逃げ屋という仕事柄、危険を伴う事は多々あります。

その中でも一番ひやっとした体験談をお話したいと思います。

選びきれない荷物

同棲中の彼氏からの精神的DVに耐えかねて、夜逃げ屋特急便に助けを求めてきた依頼者Aさん。
加害者が仕事中の昼間の時間を見計らっての夜逃げとなりました。
決行日までに当面の衣服や貴重品類などまとめておくようにお願いしました。

しかし、当日に担当者が友人を装ってた訪ねるとそこには衣服がパンパンの詰めこまれたダンボールが10箱以上。
女性の依頼者に多い事なのですが、最低限の荷物が選びきれずに予想を大幅に超える量になってしまうのです。
担当者は、多くの荷物を運び出すのは危険だ、何とか荷物を減らせないかと説得しましたが、依頼者は断固拒否です。
加害者に追い詰められているときに心を癒してくれるのが、趣味の服だったのでどうしても捨てられないとの事。

時間も迫っているので、人目を気にしながらも車に積み込めるだけ詰め込む事にしました。
なんとか最後の1箱を詰め込んで、あとは依頼者の方を乗せて出発するだけというときです。

後ろからものすごい罵声が聞こえ、振り向くとそこには加害者が…!!!!
鬼の形相でこちらに向かって走ってきました。
急いで依頼者を車に乗せ、全力でアクセルを踏み込み車を発進させました。
しばらく追いかけてきていましたが、次第に声も聞こえなくなりました。
その間依頼者はずっと怯えて泣いていました。

今回はたまたま逃げきることが出来ましたが、もし荷物がもう1箱あったら追いつかれていたら追いつかれていたかも
もし従来通りの最低限の手荷物で逃げれていたら、余裕を持って依頼者を怯えさせる事なく逃げれたのでは
もし車のエンジンが中々かからなかったら
もし加害者が車に追いついていたら
タラればも考えるだけでも恐ろしいです。

せっかくの新しい未来への第一歩の日です。
トラブル無く過ごしたいものです。